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暁のワンダーランド

暁のワンダーランド_c0012176_1955240.jpgam5:30 築地。

それまで手かぎと海中電灯でマグロを品定めしていた仲買人達が
セリ人を中心に人垣を作る。
蛍光灯に照らされた体育館のような倉庫に鐘が鳴ると
セリ人は片手を上げて指をせわしく動かしながら
お経とも歌とも取れないような声を出しはじめた。

すると仲買人もセリ人に向かって手を挙げて指を動かす。
じっくり見ても聞いても、何がどう決まったのかはわからないが
床にごろんと並べられた巨大なマグロの列を
セリ人が移動するにつれて、買い手が次々と決まっていくらしい。
一本のマグロが決まる時間は、見たところ10秒程度だ。

僕らの訪れた区画には数人のセリ人がいたが
そのかけ声は人によってバラバラ!
口元で唸るように声をを出す人もいれば
右の写真(左に立ち、書類を振る帽子の男性)の人は
テノールボイスで浪々と歌い上げる。
彼はご丁寧にかけ声の最後にサビまで付けた。
「はい四番四番四番四番○△□×っ、はい五番五番五…」
僕に聞き取れたのはそのぐらい。

築地の花形=マグロの競りは毎朝5:30からの30分間で3000本が取引されるという。
マグロを卸す会社は築地に五社。そのほとんどが上場企業だ。
僕らが覗いたのは、多分ほんの一角で、どうやら生マグロが中心のセリ場。
見学者(みんな勝手に見るわけです)は10数人いたけれど、多くが外国人だった。
夜明けのワンダーランドに、ほとんどの日本人は興味もないらしいが
それは飽き飽きしているからではなく、単に無知なだけのことだと思う。
まあ僕らもその一人だったわけでお恥ずかしい限り。
東京最強のワンダーランドに今日は思いっきりノックアウトされた感じだ。
by rocketwriter | 2005-02-12 19:48 | 魚介道
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