am5:30 築地。
それまで手かぎと海中電灯でマグロを品定めしていた仲買人達が セリ人を中心に人垣を作る。 蛍光灯に照らされた体育館のような倉庫に鐘が鳴ると セリ人は片手を上げて指をせわしく動かしながら お経とも歌とも取れないような声を出しはじめた。 すると仲買人もセリ人に向かって手を挙げて指を動かす。 じっくり見ても聞いても、何がどう決まったのかはわからないが 床にごろんと並べられた巨大なマグロの列を セリ人が移動するにつれて、買い手が次々と決まっていくらしい。 一本のマグロが決まる時間は、見たところ10秒程度だ。 僕らの訪れた区画には数人のセリ人がいたが そのかけ声は人によってバラバラ! 口元で唸るように声をを出す人もいれば 右の写真(左に立ち、書類を振る帽子の男性)の人は テノールボイスで浪々と歌い上げる。 彼はご丁寧にかけ声の最後にサビまで付けた。 「はい四番四番四番四番○△□×っ、はい五番五番五…」 僕に聞き取れたのはそのぐらい。 築地の花形=マグロの競りは毎朝5:30からの30分間で3000本が取引されるという。 マグロを卸す会社は築地に五社。そのほとんどが上場企業だ。 僕らが覗いたのは、多分ほんの一角で、どうやら生マグロが中心のセリ場。 見学者(みんな勝手に見るわけです)は10数人いたけれど、多くが外国人だった。 夜明けのワンダーランドに、ほとんどの日本人は興味もないらしいが それは飽き飽きしているからではなく、単に無知なだけのことだと思う。 まあ僕らもその一人だったわけでお恥ずかしい限り。 東京最強のワンダーランドに今日は思いっきりノックアウトされた感じだ。
by rocketwriter
| 2005-02-12 19:48
| 魚介道
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