今月は2冊とも科学の本。
・「99.9%は仮説」 竹内 薫 “科学はぜんぶ、仮説に過ぎない”というのが新鮮。 科学的に証明されたことは覆らないような気がするでしょ。 でも例えば、地動説も、ニュートン力学も 後からやってきた天動説や相対性理論に取って代わられて 最近では冥王星も、実は惑星じゃなくて 小惑星だったという学説が有力になっていたりする。つまり… 科学的証明はその時代の最新の仮説に過ぎないというわけです。 すごく解りやすい言葉で書かれた本で 字もでっかいんだけど、僕には難しい所もいっぱいあって でも、科学が身近に感じられる好著ではないでしょうか。 題材に登場した相対性理論の解りやすい本も、探して読みたくなった。 ・「生物と無生物のあいだ」 福岡伸一 文章の巧みな人で、まずそれに驚かされる。 科学ミステリーというか、分子生物学の歴史を追いながら DNA、核酸、ウイルス、ES細胞といった 生命の大発見の現場を生き生きと見せてくれる。 それにしても、肉体について僕らは 外から隔てられたモノとしての器というか実体があるように感じていて ところが、分子レベルでは細胞を作るタンパク質やアミノ酸は 川の流れの中の、たまたまそこに密度が高まっている分子の ゆるい淀みでしかなく、しかも、その分子は高速で入れ替わっている… なんて聞いたら、ちょっとゾクゾクしませんか? 生命の不思議をのぞき見るのに打って付けの本です。おすすめ。
by rocketwriter
| 2008-06-29 01:39
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