1 ![]() 地球温暖化/伊藤公紀 を読んでみる。 太陽の黒点活動が地球温暖化の主要な要因である、という 「環境問題のウソ」の論拠は、伊藤氏が「地球温暖化」で書いた説を受けている。 結論から言うと、どうもさらにわからなくなったので Do you think for the future? という以前から気になっていたサイトの著者に あつかましくも、手ほどきをお願いするメールを出してみた。 とても詳細かつ丁寧な返答メールを頂いたので、自分なりにまとめてみました。 本が出た当時の論評は、紹介してもらった市民のための環境学ガイド に詳しい。 一方、Do you think for the future? の著者からは 伊藤氏の本が出てから現在までの間に、コンピュータモデルの信頼性向上などによって ほぼ、温暖化ガス否定論は、論破されつつあるようだというお話も頂く。 以下、IPCCの最新レポートである第4次評価報告書の主題を強引に要約すると ・気候システムの温暖化は疑う余地が無く(very high confidence=90%を超える確率で) ・温室効果ガス濃度は産業革命以前の水準をはるかに超え (産業革命から2004年間に70%増加、過去65万年の歴史で最高) ・20世紀後半以降の地球規模の気温上昇のほとんどが 温室効果ガス由来の可能性が高く ・現在の施策では今後より大規模な温暖化がもたらされることになる …といった文言が並んでいる。 ちなみに、温暖化によるメリットを唱える学説に対しては ・温暖化の便益は温度がより低い段階で頭打ちになり、温暖化進行に伴い被害が増大 ということで、二酸化炭素が増えると植物がよく育つとか、凍死率が減るとか そういう論理は地域的にも期間的にも限定的ということになるのかもしれない。 市民のための環境学ガイドによる第4次評価報告書のまとめによれば 「もしも、人為的な影響を含めない自然起源の温度変化だけを算出してみると 1950年ごろから、地球の温度は下がりつつある。すなわち、多分、太陽活動は落ちつつある。 しかし、現実には、人為的な影響が非常に大きいもので、気温が上昇している。」という記述があって これはその次に続く「地球が温度上昇側に振れたとたんに、もっとすごい上昇速度になる」 ことを意味するわけで、ちょっと恐ろしくもある。 大気中の二酸化炭素濃度はわずか0.04%未満で、窒素の約80%や、 酸素の約20%と比べるとずっと少ないのだが、二酸化炭素恐るべし。 再びDo you think for the future? の著者の言葉を借りれば… 「実は二酸化炭素の排出は気候変動に大きな影響がなかったとしても 迫り来る化石燃料の枯渇を前にして低炭素社会を目指すという進むべき方向はあっているわけで まあ、二酸化炭素排出を減らすというアクションは、どちらに転んでもそんなに悪い賭けではないと思ってます。」 とのこと。なるほどです。 一方、「地球温暖化」の最終章でも触れられている通り 日本では、地球温暖化防止という名を借りて 安全検証やトータルコストを顧みずに原子力へ切り替えが進んでいること 炭酸ガス排出取引がすでに巨大なビジネスとして動き始めていること ドイツなどは東独の従来のエネルギー効率が悪かったため京都議定書クリアが容易なこと など、一概に温暖化防止への政策といっても、裏と表を見分ける必要もありそうだ。 ▲
by rocketwriter
| 2008-04-21 00:35
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